「路地裏」タグアーカイブ

或る日の情景~横浜界隈04

横浜公園の花の壁

『壁が好き』と云う女性ヴォーカリストの方と仕事をしたことがあります。
その方は元アイドルで、愛らしい笑顔の方ですが、その彼女が凛とした表情で『壁が好き』とおっしゃるのを聞いたその日から、私の『壁』に対する意識が変わりました。

『壁』は様々な想像を私に与えてくれます。
よく見ると色々な形状や紋様があって、奥深い美を感じます。
歩道に佇む壁、路地裏の両壁、古びたビルの壁、寂れた工場の壁、ンもう、たまりません、、。

私に『壁』の素晴らしさを教えてくれた元アイドルは、そのルックスとは裏腹に、たいへんな気骨の持ち主で、実にオトコマエな女性でした。
彼女は正統派アイドルとしてデビュー、大活躍するも、個性的な言動挙動で、コアなファン層を獲得、やがて所属事務所との契約を解消し、フリーとなって、広報、マネージメント、経理などタレント業における諸業務全般を自らこなす、業界初のインディーズ・アイドルとして多くのファンや、業界人からもリスペクトされている、元祖フリーアイドルと謳われているアーティストです。(後に声優としても名を馳せた彼女は、現在ヨーロッパでも活躍中、マルチアーティストとして絶賛を得てカリスマとなっています。)

事務所やレコード会社がアイドルを乱発していた当時、事務所に所属せず、アイドルが自分で自分をプロデュースするという行いは、並大抵のことではありません。
ブレない気合と根性、心意気、魂。
人として素晴らしい品格をも有する女性アーティスト。
その彼女から教えてもらった『壁』の素晴らしさ。

私は壁の写真を撮るたびに、誇らしく思う今日このごろです。

或る日の情景~大井町界隈04

病院ヘ向かう路…。
ここ数年、母のことやらなんやらで病院に通うことが増えました。
母は要介護5、寝たきりで、認知症。
もはや私のことすら判別できません。
私のことといえば昨年11月に白内障の手術をする事になりました。
シキタリ通り手術前の血液検査というのをしたところ、ンまあ〜デテクル、デテクル池の鯉。
ナントカ値というのがアーで、コーで、ソーですから、ドーやらイケマセンね、ということになって、日帰り眼の手術のハズがアッチの、コッチの、ドッチもの検査で、自身のことでも病院通いというヤツをするハメになってしまいました。
 
母の病院は春日部市、私の病院は大井町。
大井町といえば、ハシゴ酒で通った大好きな街。
トコロが今の私はある検査結果で、お酒をやめるよう薦められてる身分…。
自身初の禁酒生活中で、愛しい繁華街を横目にヒタスラ病院への路を、この冬から春にかけて歩いています。
その路には、新芽が息吹き、緑が映え、梅が咲き、散り、桜が咲き、散り…、様々な風情に出逢う昨今です。
 
今の私には、呑んだくれて歩く路よりも、病院ヘ向かう路のほうがお似合いなのかもしれませんね。

或る日の情景~大井町界隈03

ショーゲキの『うなぎのむら上』-現『三代目むら上』-
大井町、平和小路の突き当りにある鰻屋さんです。
現在は三代目!?、二代目は立ち食い鰻串屋さんでした。
私のショーゲキはその二代目の『うなぎのむら上』のことです。
コの字のカウンターのみで、タレが入った銀色のトレーが2~3人おきぐらいの間隔で配置されています。
お酒(ビールの小瓶と日本酒一合徳利のみ)を頼むと、あとは勝手に!?トレーに次々とうなぎ串が三種類ランダムに出てきます。
それを我々は勝手に!?食べます。
食べた分の串を自分の前に置き、ソレでお勘定をします。
接客はベラボーに無愛想なお父さん、焼き手が一生懸命焼いてるお母さん。
夫婦お二人でやってらっしゃいました。
喫煙可ですが、灰皿はありません。
床に灰もたばこも捨てちゃうのです。
また『あたま』と呼ばれる串は、世界が終わってしまうくらい小骨が多く、口の中が小骨だらけになってしまうのですが、その小骨も床に『ぺっ』と吐き捨てるのがこのお店のルールでした。
店内はいつも満席でしたが、シーンとしています。
誰も会話をしないのです。
会話ができるフンイキではないのです。
私は何人か友人を連れて行ったことがありますが、その店内のスルドイ気配に皆、驚愕したものです。
三代目はカジュアルで、ヤサシイ接客。うなぎもとても美味しいです。
二代目は、はたして美味しかったどうか???
でも私は、この二代目が大好きでよく通ったものでした。