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或る日の情景~横浜界隈02

黄金町の桜
この街の情景を、一言で片づけてはいけません。
近頃では、新しい街づくりを目指して、
様々なイベントや、環境の整備がなされ、安全・安心の街に変貌していますが、
この街の歴史は、実はただ事ではなかったのです。
私のこの街の印象というと、映画『天国と地獄』(1963年、黒澤明監督作品)。
狭い通りに危ないヒトビトが溢れる生き地獄のようなシーンで、後に大岡川沿いの飲食店がTVのバラエティ番組等でとりあげられた時、コレが同じ場所とは思いもよらず、些か理解ができませんでした。
こうして歩いていても、「オニーサン、 ヨッテッテヨ!」だなんて声かけられて、「いやぁ~、、。オジサンはもう年だから。」とか云ったりして、マジで睨まれたりする自分が見え隠れして困ってしまいます。
その昔は、大岡川の船運を活用した問屋街として栄えたこの界隈。
終戦後ぐらいから、高架下にバラック小屋の飲食店が増殖し、そんな店の中から女性が客を取る店、いわゆる「ちょんの間」が現れ、いつしか関東でも屈指の「青線地帯」として知られるようになりました。
付近の大岡川沿岸にはバラック群がずらりと建ち並ぶ、いわゆる『大岡川スラム』が発祥して、お巡りさんも身の危険を感じる程荒んだ環境だったようです。
今、その大岡川沿いは、遊歩道として生まれ変わり、
特にこの桜の時期はホンワカした景観です。
それでも何か、ただ事ではない気配を感じてしまうのは、
この街が歩んできた歴史がそうさせるのでしょうね。

或る日の情景~門前仲町界隈01

辰巳新道
門前仲町にある深川のお不動様に参拝するようになって随分経ちます。
きっかけは家内で、もっといえば家内のお父様の影響で、それまで不信心だった私ですが、今では毎年かかさず通っています。
 
参拝の帰りにピョッコリ見つけた辰巳新道。深川丼のお店をウロウロ探しているうちに出くわしました。
ひと目見て、『只者ではない』と感じた次第です。
東京メトロ東西線、都営大江戸線の門前仲町駅から徒歩1分程のところにソソと佇む、間口9尺、長さ50mぐらいの路地に30数軒が居並ぶ飲み屋の横丁です。
 
名前の由来は定かで無いらしく、
私の知るところでは『雨の辰巳新道(2012年6月20日)三代目コロムビア・ローズ 』、、。
でも『辰巳芸者』は有名。
辰巳芸者は『粋で人情に厚く、芸は売っても色は売らないを心意気とし、身なりは地味で薄化粧に、当時男のものだった羽織を引っ掛け座敷に上がり、男っぽい喋り方』をされたそうです(出典:東京花柳界情報舎)。
辰巳芸者がこの新道を闊歩していた情景を思い浮かべるだけでワクワクしてしまうのは私だけでしょうか。
このノスタルジックな路地で、昭和の香り漂うスナックに入り、隣人と肩を並べてカラオケのひとつでも歌う様子が目に浮かびます。一見、入りにくいお店ばかりですが、どの店でも温かく出迎えてくれるはず。さあ、勇気を出して入ってみませんか。

或る日の情景~品川界隈01-天華のコショーそば

天華のコショーそば
2015年4月に閉店した品川「天華」。
品川駅港南口に潜む路地裏のど真ん中にあった名店です。
なんといっても名物『コショーそば』。
コショーがタップリ(ハンパじゃない)と振りかけられた塩ラーメン。
スープは透明でとろみがあり、縮れ麺によく絡みます。
タンメン風でもあり、具は白菜、もやし、しなちく、長ネギ、豚肉、、。
 
おじいさんとおばあさん二人で営むカウンターだけのお店で、
店内を見回すと昭和33年発行の調理師免許証が飾られていました。
私が生まれたのが昭和32年、改めて閉店が悔やまれます。
その閉店の理由はおじいさんの急逝。
聞くところによると亡くなる数日前までお店に立っておられたとか、、。
名物『コショーそば 800円』
ご子息が、
新浦安の本格四川ダイニング『王冠』のランチメニューで、その味を繋いでいるとの由。