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或る日の情景~北品川界隈01

北品川界隈01
 
ココは私の地元で…だなんて云うと、生まれも育ちも北品川の古い友人に怒られてしまいます。
私がココに住みついたのはホンの10数年前のことで、北品川の隣町、東品川に世田谷から越してきました。
旧東海道に接するこの界隈は、古き良き時代の情景に溢れており、地元の人達は、いわゆる『品川っ子』で、モノの本によると『負けず嫌いでへそ曲がりの頑固者』とのこと。
私が思うところでは、裏表がなく、人当たりはキツイがお人好し。馴染めば愉快なヒトビトです。
世田谷から越してきたばかりの頃、商店街の真ん中で、おじいさんとおばあさんがギャーギャー云って喧嘩をしているのに遭遇し、そのやりとりの可笑しさに、私はイッペンでこの街が大好きになってしまいました。
また旧東海道沿いには老舗の名店が点在しています。なかでも素晴らしいのが『丸屋履物店』。慶応元年創業の店先には、今でも五代目、六代目のご主人たちがその職人技で我々を魅了しています。
この街から出た著名人には、歌手の島倉千代子サンや、元・宝塚歌劇団月組の真琴つばさサンがいらっしゃって、前出の古い友人によると、島倉千代子サンはこの街のスイング・ジャズバンドの専属ヴォーカリスト出身で、ジャズを歌わせたらウンヌンカンヌンと語っておりました。

或る日の情景~五反田

五反田
私にとって五反田は、今は亡き父との思い出の街です。
まだ高校生だった私を父は、
『キャバレー』という不思議なカテゴリーのお店に連れてってくれました。
それが五反田でした。
私はこのキャバレーで、初めて父の『好みのタイプ』を知り、驚愕したことが忘れられません。
何故ならば、あまりにも似ていたのです。
私の『好みのタイプ』と、、。
この日の父は、ハゲシク上機嫌で、私もスルドク呼応し、親子でハテシナク夜の街かどを盛り上がりました。
以来、父と私は度々五反田にシュツボツします。
待合せはいつも決まって、駅前路地裏の洋食グリルエフ(昭和25年創業)。
嬉しいことに、この洋食屋さんは今も健在です。
趣のある店構えは圧巻です。
 
親子の五反田通いは1年ほど続きましたが、
或る日突然終わりました。
父の係の女性が移店したからです。
ようやく、イカガワシイ親子のキャバレー通いも終わりとなりました。
父と私は、1年振りにタダシイ親子のカタチに戻ったのでした。

或る日の情景~柳橋

柳橋

或る日のこと。
浅草橋にある著名な立ち呑み屋さんに行くつもりで辺りをウロウロしていると、タダならぬ気配の川べりにでくわしました。橋がかかっていて、柳橋と書かれています。1軒、見事な佇まいの佃煮屋さんがあって、思わず入店してみると、スタッフの物腰の柔らかさと、その大人の言葉遣いに深く感動した事が思い出されます。
今となって。
柳橋を調べてみると、
『井の頭公園の池を水源として都内を西から東へと流れ下る神田川、その流れが行き着く先が以前は大川と呼ばれた隅田川です。あまり知られていませんが、その合流地点にかつて新橋と並ぶ東京二大花街の一つと呼ばれた花街が存在していました。その名を柳橋花柳界といいます。』と、あって、この川べりの硬軟併せ持つ風情にナルホドと思う次第です。