scene-chapter1-5

オヤジの情景
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私は大島さんにかまってもらいたくて、
何かといえば大島さんの側にいた。
時には、スカートをめくったり、全速力で横切ったりした。
挙句の果てに、
彼女のお弁当のお箸にチンチンをコスリつけたりした。
ベラボーなことをしたものである。
好きな女子に、清く ・正しい表現ができないのだ。
私の愚かな行為は止むを知らなかったが、
お弁当のお箸に、チンチンをコスリ付けるのは、
さすがに問題となった。
私はクラスの女子全員から、大ヒンシュクを買い、
ゴキブリのように嫌われた。
それでも、
私のモンモンはドンドン激しくなってゆき、
果てしなく続いてゆくかに思われた。
(私は今、高血圧に悩んでいるが、この時のモンモンとゴキブリ扱いされたことが起因ではないかと推測している。)
そして1学期が終わった。
長い夏休みが終わった。
2学期が始まる。
学校で大島さんに会える。そのことを楽しみにして登校すると、
ここで意外な出来事に驚く。
なんと、大島さんが転校してしまったのである。
私は『青天の霹靂』、というモンゴンをこの時初めて知った。

『狐につままれた』、というモンゴンもこの時初めて知った。

そして私は『自分の初恋』というのは、
大島さんとのことを云うのだと、初めて認識した。
(西川先輩のことは、『初恋』ではなく、『憧れ』であったのだ。)
50年近く経って、
私は今でも大島さんの笑顔が忘れられない。
と、同時に、私にイジワルされた時の、悲しい顔が忘れられない。
私の『初恋』は中1の1学期間だけで、
終わってしまった。
続く

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