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オヤジの情景
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私が通っていた中学校は、東京世田谷区にある、
船橋中学校というトコロで、ごく当たり前な感じの学校であった。
これがどうしたことか、
私が在学中、ひとつ上の先輩に、
日本を代表するドラマー、渡嘉敷祐一氏、
ひとつ下には、
伝説のロックバンド『子供バンド』、
その後俳優として大活躍する、うじきつよし氏が在校していた。

うじき氏とは、同じバレーボール部ということもあって、
当時は近しかったが、卒業後は、
彼は『子供バンド』で、一躍注目を集め、
スターダムへとかけ上って行き、私とは疎遠になってしまった。
ずいぶん経ってから、
家内と歩いていた街中で、バッタリ彼と再会したことがあった。
彼が「先輩!」と言って、
満面の笑みを浮かべて話しかけてくれたのはありがたかった。
グータラ亭主のカブがグッと上がった訳である。
持つべきは良い後輩である。

一方、渡嘉敷氏とは、先輩だけに、在校中は会話もできなかった。
私のような年代のものは、
中学生ともなると、シッカと上下関係があって、
それは中々良いものであったのだ。
渡嘉敷氏は、うじき氏と同様に、
高校時代からその名を馳せて、
ドラマーとして、瞬く間に一流ミュージシャンとなり、
80年代を、それはもうブイブイいわせて、業界を闊歩していた。
当時三流ミュージシャンのカタスミにいた私はそれを、
羨望の眼差しで、見つめていたものである。

月日が経って、私が事務所のオヤジになってしばらくしたころ、
あるレコーディングで渡嘉敷氏と再会した。
ご挨拶にいったところ、
「あっ、久しぶり!」と言って下さったのには驚いた。
私と渡嘉敷氏とは、それまで業界で接点があったとは言い難く、
とはいえ、ニアミス程度はあった。
そんな程度の私ごときに、優しく声をかけて下さったのである。
事務所のオヤジとしては、
スタッフに対してグッとカブが上がったわけである。
う~むぅ、持つべきは良い先輩であることは云うまでもない。

続く

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