或る日の情景~大越の野菜07

茄子のトマトソースパスタ。
 
大越から頂いた玉ねぎでトマトソースを作って、やはり頂いた茄子でパスタにして頂きました。
むむむっ、『パスタ』…。
私は『パスタ』と聞くとヨカラヌ心持ちになります。
「なにがパスタだベラボーめ!スパゲティーと言え、スパゲティーと!」と、心が叫ぶのであります。
思いおこせば、私が二十歳を過ぎた頃、世の中は『スパゲティー』から『パスタ』にメイギヘンコーいたしました。
その頃、青山の喫茶店でバイトをしていた私は、「彼女!パスタでも食べに行かない?」なぞとホザくスカシタ軟派野郎に閉口し、実にショッパイ心持ちを感じたものでした。
そして私は『スパゲティー』と聞くとフクザツな心持ちになります。
私の母は『スパゲティー』を『スパゲてぇ〜』と発音してドヤ顔でした。
そんな母に『パスタ』を食べさせたことがありました。トコロが、「なんだいコレは!?麺が煮てあるよ…しかも半煮えだよ!」
「おふくろ、パスタって云うんだよ」「やっぱ、麺は炒めてないと!スパゲてぇ〜が1番だよ、フンッ!」とやりあったことが思い出されます…。
今では寝たきりとなってしまった母。
やりあうことも出来なくなって、私のことも判らなくなって、『ソロソロお別れ?』と思う昨今、『パスタ』と聞くだけで、アレやこれやと思いが馳せる今日此の頃です。
今こうしてパスタを作る息子のことなど、何も知らずに一人病室で眠る母は、今幸せなのでしょうか…。
今となってはソレを知る術もありません。

コメントを残す